ニューカレドニア:2024年の映像が伝えなかったこと

2024年5月、ニューカレドニアは世界中のメディアのトップニュースになりました。バリケード、火災、足止めされた観光客、彼らを退避させるために飛来した軍用機。多くのオーストラリア人、ニュージーランド人、日本人、ヨーロッパ人にとって、それがこの国について目にした最初の、そして唯一の映像でした。2年たった今も、そのイメージはこの旅先につきまとっています。間違っているわけではありません。けれど、あまりにも不完全なのです。

何が起きたのか、率直に

2024年5月13日、州議会選挙の選挙人団を拡大する改革案がパリで審議されたことをきっかけに、暴動が起こりました。カナックの独立派は、これを自分たちの政治的な影響力への脅威と受け止めたのです。被害は甚大でした。憲兵2人を含む死者14人、約22億ユーロの損害、約700の企業が被害を受け、空港は2024年5月14日から6月17日まで閉鎖されました。オーストラリアとニュージーランドは退避便を運航しました。改革は2024年9月に断念され、夜間外出禁止令は12月に解除されています。

経済への影響は深刻です。2024年のGDPは13.5%減少し、2年間で1万3000人以上の雇用が失われ、1946年以来初めて人口が減少しました(2025年は264,596人、約18,000人の転出超過)。

分断を、単純化せずに理解する

ニューカレドニアは多様な社会です。2019年の国勢調査では、住民の41%がカナック、24%がヨーロッパ系、8%がウォリス・フツナ系、約11%が複数のコミュニティに属すると回答し、単に「カレドニア人」と答えた人もいました。対立の軸は「民族」だけではありません。政治(独立か、フランスにとどまるか)、選挙(誰が州議会選挙で投票できるか)、土地、そして社会の問題があり、経済学者が指摘する大きな所得格差もあります。

  • 独立派(FLNKS、UNI)は、脱植民地化のプロセスを通じて、カナックの人々が完全な主権を得る権利を主張しています。
  • 反独立派(ロワイヤリスト、ラサンブルマン)は、2018年、2020年、2021年の住民投票での3度の「ノン」を根拠に、より開かれた選挙人団を求めています。
  • 中道では、ウォリス・フツナ系コミュニティから生まれたエヴェイユ・オセアニアンが、多数派の形成を左右しています。

こうした意見の対立は現実のもので、根も深いものです。けれどそれは、カメラがめったに映さないものと共存しています。異なるルーツが混ざり合う家族、コミュニティをこえた結婚、サッカー場、市場、生きた慣習(クチューム)、そして訪れる人の誰もが気づくおもてなしの心です。

2026年の現状は?

共和国の枠内での「ニューカレドニア国」を提案したブージヴァル合意案(2025年7月)は、FLNKSに拒否され、続いて2026年4月2日に国民議会でも否決されました。州議会選挙はようやく2026年6月28日に行われ、投票率は63.7%でした。2026年7月には新しい議会と新政府が発足しています。制度面の日程は決まっておらず、まず取り組むべきは経済と社会の立て直しで、フランス国家が財政面で支援しています。

今、ニューカレドニアを旅するということ

各国の公式な渡航情報は、2024年以降引き下げられています。ニュージーランドは4段階中のレベル2(「より一層の注意」、2026年6月)、日本は2025年11月に最も低いレベルまで引き下げ、オーストラリアは2025年1月にレベル2(「Exercise a high degree of caution」)に引き下げました。どの旅行でも同じですが、出発前にはご自身の国の渡航情報を確認してください。航空便も戻りつつあります。エア・ニュージーランドは2025年末に運航を再開し、フィジー・エアウェイズは2026年9月22日に再開、2026年上半期の旅行者数は41%増えました。

私が毎週撮影しているニューカレドニア

ヌメアのアンス・ヴァタ上空で雲間から差し込む光と、シルエットになった船(BFO Photographie撮影)
ヌメアのアンス・ヴァタ。光は、いつか必ず差し込みます。

ニュースの見出しの裏側には、出勤前にアンス・ヴァタでひと泳ぎし、週末には小島へ出かけ、日曜日には家族がビーチに集まる、そんな暮らしがあります。ラグーンはユネスコ世界遺産に登録され、植物の4種に3種はほかのどこにも存在しない国です。私の仕事は、そんなニューカレドニアを見せること。人々と風景のニューカレドニア、テレビのニュースには映らないニューカレドニアです。

国のイメージは、それを伝える人たちによってもつくられていきます。だからこそ、公開される美しい写真の1枚1枚に意味があると私は信じています。自分の写真を持ち帰る旅行者の一人ひとりが、2024年とは違う物語を語ってくれるのです。

ご自身の目で確かめに来てください

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出典

  • AFP、NPR/AP、ABC News(2024年5月の危機、退避、空港の再開);Sénat(フランス上院)、2026年度予算法案に関する報告書(被害額)
  • CEROM(ISEE、IEOM、AFD)、2024年・2025年の経済統計、Les Nouvelles Calédoniennes経由:lnc.nc;IEOM、2025年年次報告書
  • ISEE、2019年・2025年国勢調査:isee.nc;gouv.nc
  • Conseil d’analyse économique(経済分析評議会)、ノート n° 39(2017年)
  • Devpolicy(ANU)、PINA、Islands Business(各党の立場、ブージヴァル);LCP(2026年4月2日の採決);Congrès de la Nouvelle-Calédonie(ニューカレドニア議会)およびgouv.nc(2026年7月)
  • SafeTravel(ニュージーランド)、Nouvelle-Calédonie Tourisme(日本とオーストラリアの渡航情報);LNC(フィジー・エアウェイズ);Outremers360(観光、2026年第2四半期)